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君よ憤怒の河を渉れ
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2014年11月10日に高倉健さんが亡くなってからというもの、当ブログでは何故か『新幹線大爆破』のアクセスが増加している今日この頃。

そこで今日は、『新幹線大爆破』の監督・佐藤純彌がメガホンをとった高倉健さん主演の『君よ憤怒の河を渉れ』をお届けします。


新宿の雑踏で、水沢恵子(伊佐山ひろ子)は、検事の杜丘冬人(高倉健)を指差し、強盗・強姦されたと警察に訴えます。
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取り締まり中にやってきた窃盗事件の被害者・寺田俊明(田中邦衛)にも、カメラを盗んだのは「この男です」と指差され窮地に立たされた杜丘。
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杜丘の上司・伊藤検事正(池部良)もお困りの様子。
高倉健さんと池部良さんといえば『昭和残侠伝』シリーズを思い出しますが、この映画における二人は微妙な関係のようですね。
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窮地に立たされた杜丘は、自宅を家宅捜査しているタイミングでうまく逃げ出し、真犯人を捜す旅に出ます。

水沢恵子の故郷である能登に行くと、水沢恵子の本名は横路加代、窃盗事件の被害者・寺田俊明は彼女の夫・横路敬二であること(=二人はグル)がわかったもの、彼女はすでに何者かに殺されていました。

殺害現場に残されていた手紙から、横路が北海道にいることを知り、北海道に飛んだ杜丘。しかし、北海道にも捜査の手は伸びており、森の中を逃げ回るハメになった杜丘は、ある事件を回想します。

それは、朝倉代議士(神田隆)がホテルのレストランから飛び降りた不審死事件。
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事件の証人である政界の黒幕・長岡了介(西村晃)は飛び降り自殺だと証言したもの、他殺説を疑った杜丘は、朝倉代議士の妾が経営している新宿の小料理屋に聞き込みに行った時に、その小料理屋にいた横路加代に新宿で強盗・強姦されたと指を刺されたのです・・・。

そんな回想をしながら森の中を逃げ回っている折、杜丘はクマに追われるひとりの女性を助けます。
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っていうか、着ぐるみのクマに。


助けた女性・遠波真由美(中野良子) と良い仲になり、逃げた洞窟の中で唐突なラブシーンが展開されます。
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こんな洞窟の中でしなくてもいいとは思いますが。


そんなこんなで、事件の鍵を握る横路が東京にいることを知った杜丘は、警察の目が光る北海道を抜け出すため、遠波真由美の父親・遠波善紀(大滝秀治)が所有するセスナ機で東京へ向かうことに。それも、無免許運転で。

途中、模型の自衛隊機に追われたりしつつ、海岸に着水してうまいこと東京に潜入した杜丘。
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疲労困憊で倒れていた杜丘を介抱する倍賞美津子さん(特別出演)による、
唐突なお色気シーンなど挟みつつ、
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東京に来ていた真由美と馬による脱出劇を経て、
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横路がいる精神病院に患者として侵入します。
しかし横路は新薬「AX」によって神経が破壊され、キチ◯イになっていました。
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カンペキな演技です(決して地ではありません)


そして杜丘も捕まってしまい、新薬AXを飲まされますが、AXを吐き続けて神経が破壊されるのを回避します。

そもそも、どうしてこんな展開になったかというと、長岡が精神病院の院長・堂塔正康(岡田英次)に命じて、秘かに新薬の生体実験をしていたわけですね。

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身を守るため、キチ◯イのフリをする健さん(今のテレビで放送出来るのか!?)


そんなこんなで、朝倉代議士の不審死事件も、長岡による新薬AXを使った暗殺であることがわかり、警察に抵抗する長岡は警察に射殺されました。
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晴れて無実となった杜丘は、「法律では裁けない罪や悪があることを知った。二度と人を追う立ち場にはなりたくない。」と言い残して、真由美と去って行くのでした。
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というわけで、ストーリーや設定に残念な箇所が多々ありましたが、
健さんを見ることが出来ればそれでいいや。そんな気持ちにさせられる映画でした。

高倉健さんのご冥福をお祈りします・・・。


作品情報
・公開:1976年 松竹
・監督:佐藤純彌
・脚本:田坂啓、佐藤純弥
・撮影:小林節雄
・音楽:青山八郎
・美術:今井高司、間野重雄
関連リンク
Wikipedia:君よ憤怒の河を渉れ
Wikipedia:高倉健

by tokephone | 2014-12-22 10:56 | 松竹
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